2015-08-07 夜音 詩 #詩 胸の中で、 あの夜の、虫の音が、 ひたすらに鳴っている。 過去の景色なのに、 どうしてこんなに、あの真っ暗な夜とともに 一つになって、鳴り響いているのだろうか。 今はない景色が、何か輝いている。 彼らは私に対して、ナニカを贈っているわけではないのだが、 ただその音が、私を無心にさせて。 死んだ景色が、死んでいなく、 生きている。